少し、音楽絡みの雑談
「山羊の反芻」は基本にただの雑談というか、Twitterだと連投になるなというときに書くものにしようと思っているんですが、音楽絡みの雑談も少ししようかなと思っています。一応今までにちゃんと原稿料もいただいて音楽雑誌への記事も書かせてきていただいているので、あまり仕事にかかわる内容はブログ等では書かないつもりだったのでいたのですが(専門分野となれば一つ何かを書くのにものすごく資料の読み込み等も必要になりますし…)、音楽とは言っても自分の専門外・分野外の話もたくさんありますし、何より、何かちゃんと書くために調べている中で、少しそれるけれど「へえ…これは面白いな…」などと思うこともたくさんあるので、その辺は少し曖昧で無責任な話でも、メモ代わりに書いてもいいかな?と思うようになりました。
記事内容の違いがサムネイル画像でわかるようにこちらはこんな写真にしました。数年前、コンサート案内の更新を怠った(!)年にフライヤーに使った写真です。
で、それ系の雑談第1回。…番号つけや分類が苦手(正確に言えばめちゃくちゃこだわってしまってわけがわからなくなる)なのでタイトルにちゃんと反映されないと思いますが…
レモ・ジャゾットという作曲家というか音楽学者をご存じでしょうか。
もし名前を聞いてもピンとこないという方も「アルビノーニのアダージョ」といわれる楽曲については、少なくともメロディーを耳にすれば「この曲知ってる!」と思われるであろう、大変よく知られた作品です。タイトルの通り、トマゾ・アルビノーニというバロック期の作曲家の作品…としばらくは思われてきました。でもこれは今、作品タイトルのように扱われています。アルビノーニ研究者でこの曲を発見して世に送り出した、音楽学者で作曲家のㇾモ・ジャゾット氏がほぼ大半を「創作した」らしいことが判明したからです。
なので、今は「ジャゾットのアルビノーニのアダージョ」なんです。アルビノーニは残念ながら他にあまり作品が知られていませんし、アダージョはただの音楽用語ですから他にも「アダージョ」と呼ぶことができる楽章などはたくさんあるので、なんか変なんですが、こう書くしかないねえ、みたいなことで…
まあこの話はそこそこ知られていますが、自分がこの件にとても興味があるのは、ジャゾット氏は「発見した」というアルビノーニの手稿を公開しないまま、あくまでも「アルビノーニの作品だ」と言い張っていたことです。
実は、実際の作曲者が違った系の話は珍しくありません。
有名なところだと「おもちゃのシンフォニー」の作曲者は自分がざっくり知っている限り「ハイドン→モーツァルトのお父さん→エトモント・アンゲラー神父」という変遷をたどっていますし、バッハのメヌエットとして有名な曲は今はペツォールトという人の作品という説が通っていますし、他にもいろいろあるんですよ。
それとはまた別に、結構有名な曲が発表当時に剽窃問題で騒ぎがあったとかもあったりします。
でもジャゾット氏のケースはそれらとは全く違う。
ほぼ自分の創作なのに「自分が書いたのではない、これはアルビノーニの作品だ」と言い張っていたらしいんです。
ここまで書いてきて急に雑に締めますけど…なんで???
(追記:この話題はTV等でも取り上げられているようですね…TVがない自分はそれを見て情報を得たわけではないのですが、早速読んでくださった方から教えていただき、今さっき該当する番組サイトを見たところ、日本語訳で紹介されたジャゾット氏のコメントは記憶している原文内容に比べてかなり印象が違うので、ちょっと意訳であるように思えたんですが…まあこのブログではそこまで検証する気はないので…すみません!)
次回はこの曲とオーソン・ウェルズ監督「審判」についての考察(大袈裟!)をちらっと書こうと思います。

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