臨機応変
よく「日本人は頭が固くて臨機応変に規則外の対応などができない」みたいな話で、「欧米では~」と比較して語られたりするじゃないですか。
そんな比較で多分イメージ的に「臨機応変度が高そう」だと思われていそうなイタリアで実際に体験した話なんですけれどね…
私はそのとき成田出発でローマで乗り継いでフィレンツェに行くんだったんですけれど、ローマ→フィレンツェが悪天候で待たされた末にフライトキャンセルになっちゃったんですよ。
どのくらい待たされたかはちょっと覚えてないんですが、とにかくすでに夜遅くて陸路(鉄道)での移動は無理だし、ローマでの宿泊が手配されるんだろうか…と思ったら、いわゆる高速バスでフィレンツェまで送り届けますというアナウンスが。数人の乗客はローマで何かあてがあるらしくバスには乗らず翌日のフライトへの振り替え手続きをしていたようでしたので、自分もローマでどこかに泊めてもらうあてを考えてはみたけれど(ローマにも知人は複数いるので)、その時はローマに寄る予定はなかったので事前に何も連絡していないし、そんな中で今から急に連絡して迎えに来てもらったり一泊させてもらったりというあては思いつかないし、まあバスでフィレンツェまで送り届けてくれるというなら自分はそれに従うしかない。
それでとにかくフィレンツェで滞留する友人のところに電話して、フライトキャンセルになったからこれからバス移動でローマを出るので到着がかなり遅くなるということを伝えて、バスに乗り込みました。そこまでもまあいろいろあったんですけれどここでは主題から外れるので機会を改めるとして、そんなこんなで夜中の高速を飛ばしてフィレンツェ周辺についたのは夜中2時を過ぎていたと思います。
空港に向かう道中に鉄道駅や市街地周辺を通ったので、乗客からここで降りたいという声が出始めました。私もそうしたかった。ここからならタクシーを見つけられなくても友人宅まで歩けるなあ、と。
ですが、運転士は「ここではおろすことはできない、全員をフィレンツェ・ペレトラ空港まで送り届けるという規約だ」と言うんです。でも実際に空港まで行きたい乗客は誰もいなくて、タクシーなら鉄道駅周辺のほうが見つかるし、みんなでかなり頑張って抗議したんですよ。全員鉄道駅で降りてもいいという意見がほぼまとまってすらいたんですが、運転士は「規約は規約だから全員ペレトラで降ろす、それ以外のことはできない」と。
で、まあ空港まで連れていかれちゃったんですけど…ご存知の方はイメージできるのではないかと思うんですが、そんなに大きくないペレトラ空港の夜中2時半ごろですよ…空港の建物はもちろん閉まっていて真っ暗で誰もいなくて、タクシーも一台もいない(そりゃそうですよ、到着便がない真夜中にペレトラからタクシーに乗りたい人なんておそらく一人もいませんからね)。でも航空会社が手配した高速バスは、乗客とその荷物を下ろして、走り去っていきました。
車の迎えが来ているような地元の人たちが空港を離れる前にとににかくペレトラにタクシーをたくさんよこせーって電話かけまくってくれて、たしか20~30分くらい待ってようやくタクシーに乗れました。ほんとに大変でした。そもそも悪天候でのフライトキャンセルですからね…大雨の真夜中にみんな外でタクシーを待っていたわけですよ…それでも年配の方を列の先にいかせたり、乗客の協力体制はよかったですけど。
ま、そんなもんだよな…と思いました。

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