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オペラの話

自分の専門分野はピアノとチェンバロ(スピネット)ですが、母は声楽家ですし母方の親戚には音楽家が複数いまして、幼いころからピアノ以外のクラシック音楽にもそれなりに触れてきました。

そのため、音大などで「オペラくら観なさい!」といわれるレベルは小学生の頃にかなり経過してきてしまったし、だんだん好みがはっきりしてきて、広がるというよりもむしろついつい見方が偏っていき、うざいうんちくを「部分的に」偉そうに述べたがる嫌な奴に仕上がってしまいました…

さらに、映画と同じくオペラの類も気に入ったものを厳選してDVDで所有したいほうではあるし(観たいと思ったときに何の障害もなく存分に観たい)、そのために買うべきディスクを検討する過程で、より自分の好みの演出家などについてかなりはっきり自覚するようになりました。


なるべく幅広く観ようとは思っているんですけれどね…。


そんなわけで、あまりに偏りがありそうなので、具体的な名前をここで上げるのはなるべく控えようと思いますが…基本は古典的な演出が好きです。でも様々な事柄を現代に置き換える類の演出もものによっては面白いと思うので、うちのアーカイブはかなり雑多にいろいろ混ざっている状態ではあります。


古典的であれ現代的であれ、整合性大事!と割と思うほうなので、例えば映画でいうと、ケネス・ブラナーの「ハムレット」はなぜ中途半端に19世紀あたりの設定にしたのか疑問だなあ…とかいろいろ考えてしまったりはします。脚本の忠実度が高いのでお気に入りのひとつではあるんですが、なぜ19世紀なんだ…うーん。みたいな感じ。


オペラ演出で一人名前を挙げるなら、現代演出系だけどL.ペリは大好きです。ラモー「プラテー」もプロコフィエフ「3つのオレンジへの恋」も、オッフェンバック「美しきエレーヌ」「地獄のオルフェ」も自分の中ではベスト盤。

ただしオペラの場合、演出と映像作品としての仕上がり以外に、いうまでもなくもちろん歌と演奏の良さもものすごく重要なので、その点で「これこそベスト!」って思って観ている盤もあります。


そんな中、今日RAI5のツイートでたまたま目にしたレオンカヴァッロ「道化師」の画像。

主人公であるパリアッチョが赤白縞模様のシャツを着て、いわゆるサーカスのクラウンのようなメークをしている…えええ…

少なくともこの話の「パリアッチョ」はそうじゃないと思うんですよ…うざいこと言ってる自覚はあるんですけど。

コメディア・デラルテについてはかなりいろいろかかわる作品があるのでいろいろ調べてきましたし、それにまつわる映画の場面とかもできる限りチェックしたけど。


でも、パリアッチョで画像検索しているのにアルレッキーノみたいなやつが出てきちゃうなんてことも今となっては当たり前になってしまっているようで、いや…アルレッキーノの衣装にはそれなりにちゃんと由来や意味があるはずなのに…とか、もう愕然としてしまいました。


そこは一緒にしちゃいけないんだよ…と思うんだけど。


こんな混乱ぶりでは、映画「天井桟敷の人々」なんてもうニュアンスが伝わらないのかもしれないな…と思って、なんかこう、悲しいというかなんというか…


これ以上のことを述べるには恐ろしく様々な資料を読み返し読み加えなければならないので差し控えます…


そのほうがわかりやすい、と思う人が増えてきているんだろうなあ…それが現実なんだろうなあ…と思うので、すごく複雑です。


芸術や文化ってものは、「そのくらいどうでもいいじゃん」「たいしてかわらないよ」「その違いが分かる人なんてほんの少数なんだから」などということでは片づけられない「何か」でできているんだと思うんですよ…



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