noteからの転載⑧山羊の反芻
自分の五感で確かめる
2020/11/07 23:31
初めてイタリアに滞在した時期の少し前、自分はたまたまイタリアに10年住んでいたという方やイタリア料理研究のためにしばしば渡伊していた方々、どちらも元は音楽関係の大先輩の知り合いがいました。
どちらのかたにもとてもお世話になっていたので、たまにお食事に呼ばれたり、イタリア人を招いてのホームパーティーでお手伝いしたり・・・実家時代からかなり日常的に料理する生活でしたが、とくにイタリア料理の基礎についてはこの時期にお二人からいろいろ教わりました。一方の方は主にミラノ、もう一方の方はフィレンツェ仕込みの料理自慢さんたちでした。その前から父に連れて行ってもらったおいしいイタリア料理店での味も参考にしたし、後にそのお二方とは別に、実際自分が滞在したイタリアで他にもいろいろ料理を覚えました。
ある時そのおひとりのかたのお宅で一緒にお食事することになり、私がパスタを担当したんですが、食べ始めて「あら、これ…どうやって作ったの?」と。雰囲気から「ほめているのではないな」と思ったのですが、たまたま自分が別の人からいただいたアドヴァイス通りで作っていたのでそれを説明したら「そんなの邪道、だからおいしくないんだ」みたいなお叱りが。
でも、その時自分がやった方法はかなりイタリアでは全土通じて一般的で、それで作ると現地の友人にも絶賛されるやつだった。
わたしにダメ出しした方の主義を否定するわけではありません。
ただ、その時に、「自分の知識こそ王道!」と思い込みやすい人間の弱さというか強さというか、そういうものを思い知った。
お二人とも本当にお料理については「プロ並み」だったのは確かです。でも、まあとにかく大事なのは自分の五感で確かめるってことだな、とは思いました。
何が言いたいんだって文になっちゃったかな。

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